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ビスケのちょこっと日記 *英語と読書感想*

英語学習と、本・TV感想など。

【読書感想】「紅霞後宮物語」雪村花菜·作

【読書感想】
題名: 紅霞後宮物語
作者: 雪村花菜
発売日:2015年5月15日
出版レーベル: 富士見L文庫(KADOKAWA)
巻数:第一巻(現在三巻まで発売中)


(注)作品のホームページや帯に書かれている内容以上のネタバレはありませんが、人物の性格や関係性を少々匂わせる程度の記述はあります。
完全にネタバレを避けたい人は回れ右でお願いします。


あらすじ
主人公・関小玉は軍人として高い評価を受け、低い身分ではあったが出世を重ね、女性でありながら将軍まで登りつめた。ところがかつての相棒・文林から後宮入りを頼まれることとなる。

以下感想。

作者のデビュー作で、
元はネット掲載してあったものを改作したものとのこと。

主人公小玉の魅力:☆5
地の文のわかりやすさ:☆5
後宮と戦場のバランス:☆4
主人公夫婦のくっつきそうでくっつかない度:☆5
この先を見守りたい度:☆5

  • 文章の読みやすさ

私の個人的ポイントとして、地の文の文章力はある程度欲しいと思ってるのだけど、この作者さんはデビュー作にも関わらず、安定感があった。
ネットで小説を発表することが当たり前の今日、デビュー作が文章力高いって普通なんでしょうか。

  • 登場人物の魅力

この小説の一番の魅力は、魅力ある人物たちだと思う。
主人公小玉とその周りの人々がそれぞれしっかりした考えを持っていて、事件が起こるたびに彼らがどう動くかわくわくする。

そして、登場人物たちのキャラ作りが、少女小説としてバッチリハマってる。
というか、私の好みにハマってる。
女性で武人として強いって好き。

人物同士の軽妙な会話も良い。
自然でその話者同士の関係性も見えるし、ギャグがきいてるところも好き。

続刊しているので、
今巻登場が少なかった人達がもっと話しているところを見れたらいいなぁ。

  • ストーリー

あとがきにもちょろっと書いてあるのだが、
この小説はイベントを切り取って並べたものだ。
作者の頭の中にきちんと歴史があって、そこからページ数におさまるところだけ切り取って描写されている。

つまり、1冊の作品として盛り上がりを考慮して構成されたものとは少し違う。

いやいや、一応この1冊の中で謎が小出しにされていて、後半その伏線がつながって、その件は解決されるので、物語自体は素晴らしい出来になっている。

しかし、この小説のメインはそういった事件が解決されるかどうかという問題ではなく、主人公小玉と文林の2人の関係性を見守ることにあると思う。

ある世界のある国に、小玉と文林という2人の人物がいて、それぞれの人生の岐路でどう選択し、どう生きたか、それを覗き見ることができるということが、この小説のおもしろさだと思う。

  • 武人夫婦の関係性

くっつきそうでくっつかない男女っていいよね!!!

らんまとあかねのように、
新一と蘭のように、
お互い大事に思っていて、
それをお互い知っているくせに、
事情があってくっつかない、
そんな関係性、大好きです。

小玉と文林もそういう空気があるんだけど、この2人の魅力は2人ともいい大人だというところ。30過ぎてるし、2人とも武人としてキャリアを積んでいるので考えがしっかりしていて、安定感があるところがおもしろい。
らんまや新一みたいに、熱い感情が暴走するような若さがなく、本心が見えづらいのだけど、内に燃える想いがあるって、あーもうすごくいい。若者には出せない、表に出ない互いへの想い。
この第一巻ではほとんど見えないんだけど、このくらいの描写が好き。


ということで、続巻買います。
買うシリーズが増えて嬉しい。

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〜おまけ〜

  • イラスト

この表紙イラスト、小説の持つ重厚な世界観を表した表紙で、キャラもイメージにぴったり、素晴らしいなーと思ったら。
「シスター・ブラックシープ」のお方じゃないですか!
Wiki見たら乙女ゲーにも携わっているらしいし、人気イラストレーターさんなのかな。
美麗イラストであることも嬉しいけど、
人気イラストレーターさんをつけてくれるってことは、出版社側も期待してるって思っていいのかな。
しばらくシリーズ続くって思っていいかな。

と、イラストのお方を調べるまで気付かなかったのだが。
そういえばこの富士見L文庫は挿絵が一切ないレーベルだった。
前にこのレーベルを買ったとき、挿絵がないことにすごくガッカリしたし、挿絵がないことはあまりに大きな損失だと思った。そのときは。

今回は、挿絵なくて良い。
そのくらい小説での描写が明確で鮮明で、想像を膨らませてくれるものだった。
挿絵がないことに気付かなかったくらいだし。
そして表紙のイラストが主人公夫婦のカラーを十分に描いていて、表紙だけでイメージを掴ませてくれた。

挿絵がないことに気付いた今となっては、このイラストレーターさんの描いた他の絵も見たいけど、それは他の巻に期待。


あー続きが楽しみ。
素晴らしい小説をありがとうございました。

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